最近snsに動画をたくさんあげてます😊
ここのところsnsに動画を頻繁にアップしています♪
・ドラミングの姿勢について(もっと根本の背骨の使い方)
https://twitter.com/ksmusic_drum/status/1371034410284421123?s=21
・身体の内部にある意識しづらい場所の感覚を出すコツ!?
https://twitter.com/ksmusic_drum/status/1371035295093641219?s=21
・低くて太い音が出る「シェルショット」の指の使い方
https://twitter.com/takahirosacky/status/1372524980903153666?s=21
・「シェルショット」の腕の使い方編
https://twitter.com/takahirosacky/status/1374275424914575360?s=21
・ヴィニーカリウタが派手なプレイをする時、なぜ骨盤を寝かせる!?
https://twitter.com/takahirosacky/status/1375665177354375182?s=21
・シンバルを絡めた移動プレイが苦手というご相談をよく頂くので、人体の仕組みから解決法を解説!
https://twitter.com/takahirosacky/status/1377216404789731331?s=21
・速いハイハットワークのアクセントの入れ方。発想を180度変えるのがコツ!?
https://twitter.com/takahirosacky/status/1380096368992133121?s=21
・骨盤や背骨を積極的に使うボディショット。コツはイスに座らない!?
https://twitter.com/takahirosacky/status/1382301880974417922?s=21
・フットワークに関してはたくさんご質問頂いてるので、まずはペダルのコントロールから😉
https://twitter.com/takahirosacky/status/1386272025547706368?s=21
・上半身を躍動的に動かすと、フットワークが不安になるというごそに応えて。ありえない姿勢でもフットワークやってみました!
https://twitter.com/takahirosacky/status/1388049375658582021?s=21
良かったら興味のそそった動画だけでも見てみて下さい😉
呼吸法の第二段階!?
最近、久々に、深町純&New York All Starsの「Sara Smile」という曲に合わせて、呼吸法の練習に没頭している。
このSara Smileは、呼吸法の練習の中でも、自分の中で「第二段階」とも言える時期によく使っていた思い出の曲だ。
僕がまだ生徒だった頃、K's MUSICで呼吸法を知り、
(https://takahirosacky.hatenablog.com/entry/2020/04/13/210357)
当時、家にいる時はスティックを持たずに、曲のフレーズに合わせて横隔膜や骨盤底筋群を動かす練習を毎日やっていた。
当時住んでいた四畳半の安アパートの畳の上で曲をかけながら、ひたすら呼吸法の練習をする日々。
一曲やるだけでも汗だくになるのだが、毎日続けていく事で、だんだんと身体が覚えてきていた。
そして、呼吸法に取り組んでから初めて臨む、バンドのリハーサルの日がやってきた。
「ドラムだけではたくさん練習していたが、実際のバンド演奏になったらどうなるんだろう?」
そんな思いを抱えながらの、ホーンセクションもいる大所帯なバンドでのリハーサル。
「今日は練習していた呼吸法を、実戦で試す日だ!」
そう意気込み演奏してみると、まわりのメンバー達がアプローチが変わった事にすぐ気づき、「音が太くなったね!」「迫力あるじゃん!」という感想を言ってくれた。
その感想で、「必死に練習した成果が少し出てきたのかも?」と思った。
とは言え、初めて呼吸法を重視してのバンド演奏。
自分としては、それまでと感覚が違い過ぎて戸惑いがあったり、演奏していて何かしっくりこない曲もあったりした。
そこで、当時MDウォークマンでリハーサルを必ず録音していた僕は、帰宅後、演奏を聴いてみた。
すると、以前よりは全然良くなっている曲も多いのだが、演奏中に違和感のあった曲は、やはりどこか気持ち悪く感じたのだった。
「これは何が原因なのだろう?」
そう思い何度も聴き直すのだが、その理由が自分ではわからず、そこから数日間ずっと悩んでいたのだ。
そんなある日、K's MUSICに入校した日の事を思い出した。
これから習う事をダイジェスト的に説明を受けている中で、管楽器のブレスに合わせてトランペットのマウスピースを吹くコーナーがあった。(https://takahirosacky.hatenablog.com/entry/2020/04/17/130235)
そこで初めて体験した、管楽器の、「ずっと息を吐き続けているのに、ブレスはほんの一瞬」という世界。
ドラムだけで考えて、クリック練習を繰り返していた当時の僕は、他の楽器の「音の長さ」と「音の切りどころ」を感じようとさえしていなかったのを、その時に痛感していた。
(ドラマーはどうしても、音を「点」で捉えてしまいがちで、当時の僕もその典型だった。)
そこで僕は、ホーンセクションのあるバンドだったので、入校の時と同じように、録音したプレイバックに合わせて呼吸してみた。
すると、気持ち悪く感じた曲は、「音の切りどころ」が他のメンバーと全然合ってなかった事に気づいた。
それは、特に音を長く取るような曲で顕著だった。
K's MUSICでトランペットのマウスピースを吹かせられてからは、
呼吸法に取り組む事で少しは「音の長さ」を意識してはいたものの、まだまだ「音の切りどころ」の意識が全然足りてなかった(>_<)
横隔膜や骨盤底筋群がコントロールできても、ただ動かしていては、ただの運動やスポーツで
グルーヴでも音楽でもない、、、
「横隔膜や骨盤底筋群はだいぶ動かせるようになってきたし、今度は、音の切りどころを一番重視しよう!」
その日から、そう意識を切り替えた。
そしていざ「音の切りどころ」を以前より重視してやってみると、難易度もグッと上がってしまい、ミドルテンポ以上の曲に、横隔膜の動きを合わせられない自分がいた。
「もっとゆっくりしたバラードのような曲から、ちゃんと練習しないとダメだ!」
そんな思いから、前々から好きだった深町さんの「Sara Smile」を、「音の切りどころを重視した呼吸法」の練習曲にしたのだ。
「音の出始めよりも、とにかく、音の切りどころを絶対に逃さない!」
その意識で、繰り返し繰り返し練習に明け暮れた。
「切りどころ」を重視した、その感覚は、ドラムしか真面目に楽器をやった経験のない僕にとってはとても新鮮で、
「他の楽器のみんなは、こういう意識で演奏してるのか!」
と思ったのを覚えている。
それまで、音圧や爆発力に魅力を感じていた僕だが、
「他の楽器と調和できる事が、呼吸法の一番の醍醐味だな。」
そう強く思った。
そして当たり前ではあるのだが、その練習を繰り返すようになってから、まわりのメンバーの演奏に調和しやすくなり、「気持ち良いね!」とか「歌いやすいよ!」という感想をもらえる事が増えていったのだった。
そんな思い出の曲Sara Smile。
「音の切りどころの感覚が少し曖昧になってきたな」と感じる時には、今でもよく引っ張り出しては、名演の世界観に浸りながら、若き日にタイムスリップして練習を繰り返す僕だった。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
昨年のちょうど今日、僕が呟いて少しバズった?ツイート(https://twitter.com/takahirosacky/status/1141140525321297921?s=21)は、今回のブログに書いた経験が元になっています。
ドラムのレッスン動画付きのツイートにも関わらず、ドラマーさん達よりも他の楽器の方達からいいねやリツイートをたくさん頂きました。
今回のブログが何かの刺激になりましたら嬉しいです^_^
いつも読んで頂きありがとうございます!
K's MUSICのHPはこちらです→https://www.ks-music-drum.com
スティックと向き合う!?
今、歴史的な事情で、練習パッドを叩いているドラマーさんが、一番多い時期かもしれない。
ちなみに、僕が最も長い時間、練習台を叩いたのは、
K's MUSICの講師になってから経験した「スティックのペア組み」の作業の時だ。
K's MUSICで働き始めて少し経った頃、主宰の小野瀬からK'sのオリジナルスティックについて
「今までオレがペア組みやってたけど、これからは坂Pの仕事ね。」と言われた、、、。
K's MUSICのオリジナルスティックのペア組みを僕がやるの!?
それまでスティックを楽器屋さんで買う時も、ある程度のフィーリングでしか選んでなかったし、、、
生徒さん達にお渡しするからには責任もってやらないといけない(>_<)
不安を感じながらも、早速、入荷したばかりの段ボール箱を開けてみると、とんでもない数のスティックが出てきた。
大きな楽器屋さんでも同じモデルのスティックは10~20ペアくらいしか置いてない。
しかし、その時ダンボールには360ペア、720本も入っていた。
こんなに大量なスティックのペア組みを、ちゃんとしたクオリティで出来るだろうか、、、と少々おじけづく。
「やるしかない!」
自分に喝を入れ、作業に入った。
まずは反りのチェックだ。
スティックを一本一本、平らな机の上で転がし、スムーズに転がらないスティックを省くのだ。
反りがあるスティックを徹底的に省いた後は、
スティックを重さ別に分けていく。
同じ形のスティックでも、結構重さに幅があり、この時の入荷分は、確か37gから50gくらいまでだったと思うが、
なんと、1g単位ではなく、0.5g単位で分けてくれと言う。
例えば45gなら、「45.0g~45.4g」の次は「45.5g~45.9g」という感じで分けていく細かな作業、、、
僕も生徒の時からこのスティックを使っていたが、ここまで細かくやっているとは知らなかった、、、。
その作業が終わったのも束の間、本当の大変さはここから始まった。
重さを揃えたスティックを手にとり、練習台を叩きながら、
スティックの「前後のバランス」と「音程のピッチが合うもの」を
探し出してペアを組んでいく。
これを、37〜50gまで、0.5㌘単位でやっていく。
小野瀬から受けた指示は、たくさんあったが簡単なものをいくつか紹介すると
・ロゴマークを目安に、どのスティックも必ず同じ場所をもって練習台を叩いてチェックする。
(持つ場所がランダムだとバランスも違ってしまう。)
・力んで叩いたり、スティックに触れ過ぎてしまうと、スティックの振動を妨げてしまい、バランスやピッチが分かりにくくなるので、とことん「スーパー低剛性」でチェックする。(低剛性については、こちらを参照頂きたい。https://ks-music-drum.com/advice/drum-advice/43.php)
・下方向に叩くのではなく、上方向に引き上げてスティックのバランスを感じる。
(引きが遅いとチップが持ち上がるので、スティックが平行に見えるのが目安。)
まずは軽めのグラムのスティックから手探りで始めてみたが
しばらくは、指の感覚が鈍くて、わかるような、わからないような、、、
恥ずかしながら、スティック一本一本にそこまで向き合った事は今までは全く無かった。
(スティックをあえて逆に持ったり、わざと左右を不揃いにしたりという事はしていたが、左右のスティックをそこまで揃えた事はなかった。)
一度確認したスティックでも、疑心暗鬼になってしまい、もう一度叩いてチェックをやり直してみたり、そんな作業を延々と繰り返す。
諦めずに続けていると、先端側に重心を感じるものや、後ろ側に重心を感じるもの、またはその中間くらい、そういった情報が指先に伝わって、だんだん分かるようになってきた。
途中、何度か小野瀬をつかまえて
「これとこれは近い感じがしますけど、バランスどうでしょう?」と、
確認をしてもらい、自分の感覚がズレていないかもチェックしながら作業を進めていく。
そうやって少しずつペア組みを続けていると、
「バランスが近いけど、ほんのちょっとだけ違う、、、」とか、
「ピッチも、近いんだけど微妙に違う、、、」
そういった事が、だんだん分かるようになってきた。
すると、
「さっきまでの感覚でペア組みしたものは、本当に大丈夫だっただろうか?」
と、不安になってしまい、すでにかなりの数のペア組みしていたものを、また1からやり直したりもしたので、結局、初日は一日中やっても作業が全然進まなかった。
翌日来るなり早速作業に入ると、前日の繊細な感覚を取り戻すのに結構な時間を費やした。
初めてだったせいもあって、脳が受けるストレスは半端なものではない(>_<)
そんなストレスを受け入れながら、数日間かけてなんとかペア組みをやりきった。
だいぶ時間はかかってしまったし、なにしろ精神的にキツい作業だったが、
やり終わってみると「スティック自体の音」を全神経を集中させて聴いたり、「スティックのバランス」を指先から感じたりという行為自体が、自分のドラミングにも非常に役に立つものだったことに気付いた。
だからスティックのペア組みの仕事ができたのはとてもラッキーだったのかもしれない(笑)
後日、生徒さん達がレッスンに来てはスティックを買っていってくれる。
僕としては親が子を送り出す、そんな気持ちになる(笑)
ちなみにK's MUSICでは、これだけ手間暇かけたスティックを「仕入れの原価そのままの価格」で生徒さんたちにお譲りしている。
しかも反っていたり、ペア組みできなかったスティックは、毎回、生徒さんたちに無料で差し上げているので
小野瀬は見た目のお腹もそうだが、実に太っ腹である(笑)
それから10数年、、、
今は黒木くんがスティックのペア組みの仕事を担当してくれている。
今では、当時よりもスティックのモデルや入荷量も増え、僕がやっていた頃よりさらに大変だ。
そんな黒木くんも生徒さん達がスティックを買っていくたび「子供を送り出すような気持ち」にきっとなっていることだろうと思っている(笑)
最後まで読んで頂きありがとうございます。
今の世の中の状況で、生ドラムがなかなか叩けないというお話をよく聞きます。
練習台は実際のドラムを叩くより圧倒的につまらないとは思いますが、スティック自体の音を聴くには一番便利と言えるかもしれません。
いつも読んで頂きありがとうございます^_^
坂野上
ドラムスクール、K's MUSICのHPはこちらです→https://www.ks-music-drum.com
ドラミング・ダ・ヴィンチ
深夜の帰宅道。
風も春めき、心地良い空気が僕を通り過ぎてゆく。
その気持ち良さから、いつもと違った道で帰ろうと思った。
すると、さいたま新都心駅を少し過ぎた頃、一人の女性が僕を見つめていることに気づいた。
僕はとっさに目を逸らしたが、高鳴る鼓動を落ち着かせ、再び彼女の方へ視線を向けた。
「あれ、、、あなたは、かの有名なモナリザさん?」
モナリザを人影もない夜中に見るのは、なかなか不気味である。
あの謎めいた瞳に吸い込まれてしまいそうだ。
「モナリザ」と言えば、「レオナルド・ダ・ヴィンチ」
僕の尊敬してやまない人物だ。
正直、僕は絵に精通しているわけではない。
そんな僕がダ・ヴィンチに興味を持ったのは、数年前イタリア旅行に行った際のツアー内容で、ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」という名画を見た事から始まった。
それまで、なんとなくしか知らなかったダ・ヴィンチについて、旅行前に調べたのだ。
その時、ダ・ヴィンチは色んな分野において天才的だった事や、人物画を描くために人体を解剖までして、骨と筋肉を理解してからその表面にある皮膚を描いていた事を知った、、、
宗教的にも人体の解剖はタブーとされていた時代、20年間も解剖を続けて人物画を描いていたそうである。
現在では人体の骨も筋肉も骨格図等で見てとれる時代だが、ダ・ヴィンチの生きた1400~1500年代は、解剖すること以外に人体を詳細に知ることはできなかったのだろう。
そんな事を思いながらミラノで見た「最後の晩餐」。
ダ・ヴィンチの絵を描くまでのバックグランドに思いを馳せながら見たせいか、気持ちが熱くなり、教会を出た後に、ダ・ヴィンチのウィルトウィウス的人体図のTシャツを買っている自分がいた(笑)
最近では、ドラムでも解剖学的な話は、それなりに一般的になってきていると思うが、2003年に「フリーグリップと尺骨、橈骨」というドラミングアドバイスをK's MUSICが発表した当時、肘から先は真っ直ぐ使って真っ直ぐ叩くというのが当たり前の時代だった。
そのため、尺骨橈骨の「回転を使う奏法」は相当なインパクトがあったようで、たくさんのドラマーさん達から感謝のお声を頂いた。
しかし、ダ・ヴィンチは今から500年も前に、前腕の構造を熟知していたようだ。
最後の晩餐に描かれている左側にいる人物は全員、尺骨橈骨が「回内」し、右側にいる人物は全員「回外」しているという事も、解剖により人体を熟知していたダ・ヴィンチからの、何らかのメッセージなのかもしれない。
思えばドラミングも、腕や脚を動かすという、一見単純な動作の中に、色んな骨や筋肉の動きが内在している。
前述の尺骨、橈骨はまだシンプルな部類だが、このブログで呼吸法について書いてから、コメントやTwitterのDMでも呼吸法についてのご質問を頂くようになってきた。
呼吸法をレクチャーする場合、実際のレッスンなら手取り足取りになるのでまだ良いが、文字で説明するのは非常に難しい。
呼吸法③のコメントでもお答えさせて頂いたが、呼吸法という言葉の響きから「腹式呼吸や健康法」のように、吸ったり吐いたりという「息の交換」を重視してしまうかもしれない。
もちろん、そういう健康法などの呼吸法と関連性がないわけではないが、ドラミングのように全身を使う場合の呼吸法は、少し切り離して考えた方が良いかもしれない。
難しい話になってしまうのを覚悟の上で詳細に書くと、呼吸で使う横隔膜等も「あくまで筋肉であり、インナーマッスル」でもあるのだ。
その呼吸筋群(横隔膜、骨盤底筋群)を中心に動かすことによって、大腰筋や腸骨筋を動かし、それらから手足の骨格筋(アウターマッスル)に力を波及させ、
その波動をスティックに伝搬させることで「流体という波の力」となるのが、ある意味、モーラー奏法でもあり、ナチュラルドラミングに繋がるものでもある。
だから、息の交換を先に考えるのではなく、それらの「呼吸筋群を動かした結果」として、息の交換が起きてしまうのが、ドラミングにおける呼吸法と考えた方が分かりやすいと思う。
しかし問題は、横隔膜などの呼吸筋群は、普段は「本能的、生理的に動いているだけ」のものであって、意図して動かした経験がある方は、ほぼいないに等しいと思う。
だから、それらを自分自身でコントロールして、ドラミングに活かすまでには、相当な苦労と努力を要する。
また、空気は「圧縮をかけて初めてエネルギー化する特性」があるので、
呼吸法においては、まず「体の中で息を圧縮することが必要」になるため、理知的に練習するのではなく【モード】に入って練習しないと「呼吸筋が動かしづらい、、、」という側面もある。
慣れてきたら、横隔膜などの呼吸筋群の「どの場所を使えば手足の骨格筋(アウターマッスル)に波及させられるか」という練習も大事になってくる。
こういった複雑なコントロールを経て初めて、スティーヴガッドやポンタさんのように、呼吸法で音圧・爆発力・ダイナミクスを激変させたり、他の楽器のように音の長さを体現できるようになってくるわけである。
そういった体の中の奥底から感覚を研ぎ澄ましてドラミングするのと、
単純に骨格筋(アウターマッスル)を使ってモーラー奏法で叩くのとでは天と地ほどの差が出てくる。
と、ここまで詳しく書くと、ドラムを演奏するのにそんな難しそうな呼吸法なんかいらない、と思う方も多いかもしれない。
しかしそれは、絵を描く時に解剖学なんか知らなくていい、という感覚に近いような気がしている。
ダ・ヴィンチは、表面の皮膚を描くのに、一見無関係に思える内部の骨格や筋肉の構造を熟知する事で、単純に皮膚を見たまま描いていた画家には決して表現できない、「人間の生命力」を表現していたのではないだろうか?
あの時代に人体を解剖までして絵に生命力を込め、何百年経った今でも「世界一の名画」といわれる作品を完成させた、ダ・ヴィンチの精神力と行動力には、本当にひれ伏すしかない。
モナリザも製作中、肌身離さず持ち歩き、少しずつ手を加え、何年もかけて描いていたらしい、、、
そんなダヴィンチの名言に次のようなものがある。
「芸術に決して完成ということはない。途中で見切りをつけたものがあるだけだ。」
ダ・ヴィンチのような天才にも、追求に終わりはないのである。
自分のプレイが上手くいかなくて壁にぶち当たった時、心が折れそうになる時がある。
特に歴が長くなればなるほど、一個一個の上達も、どんどん細かく、そして難しくなってくる。
一番キツイのは、プレイが良くない原因が自分で何なのかわからない時だ。
そんな時、ダヴィンチの作品を見ると、まだまだいくらでも追求できる事があると思わされる。
「やれる事は、まだいくらでもあるだろう?」
ダ・ヴィンチにそう言われてしまう。
待ち受けをモナリザにしているのも、ダ・ヴィンチが自分をそうやって鼓舞してくれるからだ。
とは言え、この夜道に見る巨大なモナリザ、、、
僕は好きだが、大半の人は恐怖するだけだろう(笑)
ドラムスクール、K's MUSICのHPはこちらです→https://www.ks-music-drum.com
練習場所
最近、音楽スタジオも新型コロナによる営業自粛で、個人練習もできなくなっているそうだ。
「ドラムの練習場所がない、、、。」
生ドラムは音の大きさから、色んな楽器の中でも練習場所に困る代表格かもしれない。
僕がドラムを始めた15歳の頃、僕もドラムを練習する場所には困っていたことを思い出す。
幼なじみのギタリストから誘われ、中学生でいきなりバンドを始めた僕は、幸運にも近所の先輩から生ドラムを貸してもらえた。
幼なじみの家が神社だった事もあり、バチあたりにも、神社でバンド練習をしていた。
昼や夕方の早い時間、苦情が来ないギリギリの範囲で練習していた。
始めた数日は、訳もわからず夢中で叩いていたが、当たり前だが、個人練習をしないと曲が成立しない。
普段からもっと練習しなきゃ!
家では絶対叩けないし、、、近くにスタジオないし、、、
そう悩んでいると、友達が「練習パッド」というものがあると教えてくれた。
練習パッド?何それ?
どうやらドラムほど音が出ないから家で練習できるものらしい。
当時はインターネットもない時代。頭の中で練習パッドというものを想像した。
家で練習できるなんてすごい!ほしい!
そう思った僕は、早速、家から電車で1時間かかる楽器屋さんに向かった。
福井の田舎だったので、最寄り駅まで、自転車を30分くらいも漕ぐ。
最初に登り坂が来て、後に下り坂が来るので、着く頃はスピードも乗っていつも気持ち良かった。
電車も地方のローカル線なので、混んでない時間はたった一両だけしかない電車だ。
始発駅なので一両の車両でも座れた。
練習パッドってどんなものなんだろう?と、色んな想像をしているとあっという間に目的の駅に着いた。
確か、駅から3分くらいのマクドナルドの隣にCDショップがあって、その地下が楽器屋さんだったはず。
そんな記憶を頼りに、いざ地下に階段を降りて行くと、中学生は誰もいなくて大人の人ばかり、、、
僕だけが妙に浮いている。
しばらく店内を見渡していると、挙動不審な僕を見て、店員のお兄さんが「何か探してるのー?」と声をかけてくれた。
「ドラムの練習パッドっていうのがあるって聞いたんですけど、、、」
すると、店員さんは3つの練習パッドを紹介してくれた。
どれも試打ができなかったので、一番音が静かなものを下さいと伝えた。
会計が終わると、「高校生?」と店員さんに聞かれたので、「中3です。」と答えると、「中学生なの!?でかいなー!」
当時すでに身長が183くらいあった僕は、「身長何センチ?」「何かスポーツやってる?」と聞かれるのがデフォルト。その時もそんな話をしたのを覚えている。
(この質問をされるのは、今でもデフォルトだ。笑)
中学生がドラムをやってるのを嬉しく思ってくれたのか、とても好意的に接してくれて、初めて行く楽器屋さんに緊張していた僕はだいぶリラックスできた。
楽器屋さんを後にした僕は、「これで練習できる!」そんなワクワク感に満たされながら、電車に乗り、自転車で家に着くなり、練習パッドを箱から出し、早速叩いてみた。
「え!?こんな音なの??」
当時、生ドラムしか叩いた事のなかった僕は、正直味気ない音だなと思いながら、しばらく叩いていると、すぐさま家族から、「うるさい!」と言われてしまった。
せっかく買ったのに、使えるのは家族が誰も家にいないほんのちょっとの時間だけ、、、
せっかく練習パッドを買ったのに家で練習ができなくて困ってしまった僕は、
とりあえず好きな曲をヘッドフォンで聴きながら、今で言うエアードラムのような事をやり始めた。
なんでそんな事を始めたのか、自分でもよく覚えていないが、無意識に始めていたのだと思う。
スティックを持って、椅子に座って、フットワークは床を踏むと、うるさいと怒られるので、踏んでいるつもりで、、、。
当時、そんなことでも練習するのが本当に楽しく、練習してるというより遊んでる感じ。
それでも夜中までやっていると、イスのギシギシする音に「うるさい!」と怒られてしまうのだった。
とは言え、このヘッドフォン訓練で、簡単なエイトビートは、ずいぶんまともになった。
しかし、初心者過ぎて、少し複雑になってくると途端にできなくなる。
頭の中のイメージがある分、自分のドラムがとても気持ち悪かった。
やっぱりスティックでなにかを叩いて練習しなきゃダメだ、、、
そう思っていたある日の夜、家の目の前が海だったので、練習しようと行ってみたが、日本海の海岸は崖だらけで、足場が悪くてとても練習なんかできない。
海辺からとぼとぼ帰っている時、家から自転車で数分の場所に、とても大きな公園があったのを思い出した。
昔からよく遊んでいた公園だが、あそこならめちゃくちゃ広いし、民家も近くにない。
練習パッドぐらいなら叩いても平気じゃないか?
そう思って練習パッドを手に、すぐさま公園に向かった。
夜の公園は、人影もなく、シーンと静まり返り不気味だった。
しかし、そのおかげで、練習パッドなら問題なく練習できた。
その日から、学校から帰ると夜は決まってその公園に行き、次の日が休みの時には、夜遅くまでやっていた。
当時やっていたのは、バンドでやる曲のできないフレーズを、練習台でひたすら繰り返すという、とてもシンプルなものだったが、ドラムを始めたばかりなのでとても難しかったのを覚えている。
高校生になるまでの半年間、時間があればそこで練習していたので、色んな出来事にも遭遇した。
ある日、練習しているとおわまりさんが巡回にやってきた。
「何やってるの!?」
補導されるかも!やばい!!そう思いながら
「ドラムの練習です。」と答えると、
「へぇー!ドラム!バンドやってるの?頑張ってね!」
と応援してくれた。
中学生とバレなくてラッキー(笑)
別の日には、夜遅くまで練習していると、いきなり大音量で音楽が流れた。
どうやら時計台が、ある時間になると音楽が流れるようになっていたらしい。
それを知らなかった僕は、ビックリし過ぎて、スティックを落とし、イスから転がり落ちそうになった(笑)
いまだに人生で一番ビックリした出来事のひとつだ。
時計台から飛び出してくる鳩もホラーにしか見えなかった(笑)
週末には、車で来た何組ものカップルが、叩いている僕を見るなりすぐ引き返すという事もよくあった。
「お邪魔しちゃったな~(´ー`)」
そんな心の声を発していた(笑)
他にも、真冬に行って、寒すぎて全然練習にならない事もあった(笑)
ドラムを始めた頃の僕は、思いつくまま、アホな練習ばかりやっていたものだ。
その練習にどれだけ意味があったかは分からないが、やる気だけは有り余っていたのは間違いない(笑)
練習場所の話から、ふと15歳の頃を思い出し、物思いにふける僕だった。
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ペペロンチーノにドラミングを感じた。
深夜3時。
仕事が終わった後、僕は無性にペペロンチーノが食べたくなった。
僕の得意料理だ。
具材はこれだ。
パスタ200g
にんにく3カケラ
唐辛子3本
エキストラバージンオイル
最良の塩
僕のこだわりはゆで汁に大量の塩を惜しげもなく大量に投入する事。
これは昔バイトしてた時の料理長直伝のやり方だ。
ケチってはいけない。
これにより、茹でた後に塩を加えた時には決して得られない、塩味の満遍なさが得られる。
一本一本のパスタが絶妙な塩加減を演出してくれるのだ。
ヘッドやスティックには、いわゆる「はずれ!」がつきものだが、
この絶妙な塩加減によって、当たりのヘッドと、当たりのスティックに「全部変えてくれる感じ!」と言ったら分かって頂けるだろうか。
だから「塩選び」は特に重要だ。
今まで色々な塩を試してきたが、この「揚浜塩田塩」に出会った時、衝撃が走った。
「なんだこの塩は!?美味い!美味過ぎる!!もっと早く出会いたかった、、、。」
それからずっと、こいつは僕の相棒だ。
もう他の塩じゃ満足なんかできない!!
塩選びは、まるで「シンバル選び」に似ている、、、。それまで聴いてきた音楽や音色。それらが影響して、誰しもが好みのシンバルがあると思う。
シンバルの音色の楽曲への影響は計り知れない。
それと同じように、ペペロンチーノを作る時は、どうか塩にこだわってほしいと願うばかりである。
思えば、僕の母も祖母も、福井の海で「海女」をしていた。そんな母と祖母に育てられてきた僕は、きっと日本海の天然塩にDNAがうずいてしまうのだろう。
ペペロンチーノと言うと、ベーコンや海老が入っていたりというものもあるが、
それらは僕から言わせたら「邪道!」だ。
楽曲が求めている、必要最低限の「ツボ」を抑えたプレイ、、、。余計なフィルインなんて要らない。
塩とニンニクと唐辛子だけでも美味しいペペロンチーノが作れるのに、
ベーコンや海老、ましてやアンチョビにまで手を出してしまうのは、まだエイトビートも気持ち良いグルーヴで叩けないのに、ドラムソロばかり練習しているようなものだと思っている。
まさしく「具」の骨頂、、、、
なんちゃって(^_^;)))
もちろん一緒に共演するミュージシャンや、ディレクトするアレンジャーさんが「もっと派手に!」とか要望するなら、ベーコンや海老を加えることももちろんありだ。
そんな場合でも、塩とにんにくと唐辛子だけで「最高の一品」ができてさえいれば、
ワンランク上のベーコン入りやキノコ入りのペペロンチーノになるだろう、、、
~と、そんなバカな想像をしながら、今夜もペペロンチーノを頬張るのだった。
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